2022年に改訂された厚生労働省のがん診療拠点病院の指定要件では、「骨転移・原発不明がん・希少がんなどに関して臓器横断的にがん患者の診断及び治療方針等を意見交換・共有・検討・確認等するためのカンファレンス」を必要に応じて、定期的に開催することとされています。
骨転移診療は、多くの多角的な問題が同時に起こるため、その解決策として、多職種・多診療科でその患者さんについての診療方針や、意思決定支援を援助するための骨転移キャンサーボードを行うことができると、大変役に立つと考えられます。
実際には、働き方改革や多くのスタッフの時間を割いて行うことが困難な場合もありますし、全体のキャンサーボード、緩和ケアのカンファレンスやリハビリのカンファレンスの中で骨転移患者さんについて相談することもあるでしょう。日本がんサポーティブケア学会では、骨転移キャンサーボードの立ち上げについて、毎年ワークショップを開いたりもしています。
ここでは骨転移キャンサーボード、骨転移カンファレンスを実践した、ある地域病院のプロモーションビデオをご覧いただけます。
会議のやり方については、様々な方向性があると思います。この施設では、よりリハビリテーションや、緩和ケアのスタッフが中心となったものになります。
皆さんの今後の診療に、参考になれば幸いです。
日本骨転移研究会 理事長 髙木 辰哉